~治療家B-BOYたどりんのヘッドスピンWS~

去る1月19日(日)、

柔道整復師のB-BOYたどりん(田所孝則くん)による、

ヘッドスピン・ワークショップが開催されました。

場所は群馬県前橋にある、彼の治療院兼ダンススタジオ

DANCE STUDIO TRIGER(トリガー整骨院併設)です。

(治療院の外観。とても広いです)

 

たどりんは私が主催しているブレイクダンス医療研究会の会員で、

私の考案した運動理論をブレイクダンスの指導に活用してくれています。

 

(地元新聞に掲載されるたどりん先生)

 

今回のWS(ワークショップ)の目的は、

ブレイクダンスの中でも代表的な大技であるヘッドスピンの

より安全でやりやすい方法を身に付けようというものです。

 

 

1、ヘッドスピンとは

地面に頭だけを着いて回転する大技です。

ブレイクダンスの中でもよく目にする代表的な技ですね。

まずは動画で、講師のたどりんによるお手本をご覧ください。

 

 

また、ヘッドスピンにはいろいろな変化技があります。

以下、その例です。

 

 

2、ヘッドスピンの注意点・身体へのリスク

次にヘッドスピンの注意点についてです。

 

頭の重さは体重の10分の1位であると言われています。

体重が50kgであれば、5kgの頭を乗せていることになります。

首や肩がこるのが分かりますね。

(たどりん作成のWSのレジュメ)

へッドスピンではこれが逆転し、

頭の上に45kgの体が乗っかっていることになります。

これだけで相当大変なことであるのが分かります。

 

首は脳から出た脊髄や、その周りには細かい神経や、

脳に入る大事な血管がたくさんあります。

(首の骨と神経の図。右の図は首の骨をはずして脊髄が見える図です)

事故やハードなスポーツで起こる、頭からの落下や強い打撲によって、

頸椎(首の部分の背骨)の中にある脊髄(脳から伸びる神経の中心)

を損傷する事があります。

 

ひどいと体を動かす神経が壊れてしまい、

寝たきりや車椅子の生活になる場合もあります。

 

ヘッドスピンでも、負担がかかりやすい姿勢で続けていると

ダメージが蓄積され、首のまわりの筋肉が硬くなっていきます。

 

硬くなった筋肉が、首のまわりの神経を常に締め付ける状態になり、

  • 腕がいつもしびれている
  • しびれで思いどおり動かせない、力が入らない

などの症状が起こりやすくなります。

 

ここまでになると、治らなくなる可能性もあり、

手術が必要になる場合もあります。

 

特に注意したいのは子供です。

子供は大人にくらべて

  • 頭が大きく、手足が短い

です。

 

その骨格バランス、腕や脚の重さのバランスにより、

大人より簡単にできてしまう傾向があります。

 

最近は教え方の上手い指導者のダンサーが多いせいか、

難しい技ができる子供が増えていることもその要因の一つです。

 

3、ヘッドスピンの医学的によいやり方

ヘッドスピンの危険性をできるだけ回避するには、

どれだけ楽にできるか?

を追求することが基本となります。

 

やりやすいと感じる方法(姿勢や回り方)でも、

ダメージが蓄積しやすい場合があります。

首ばかりでなく、背骨の曲がり具合によっては、

慢性的な腰痛にもなりやすいようです。

(画像右のBの図が背骨に負担のないフォームになります)

予防するには、人間の骨や筋肉のバランスを医学的に理解し、

技に応用していくことが重要です。

 

【運動学】とか【スポーツ科学】などと言われる学問の応用です。

 

人体はたくさんの骨で作られていますが、体のある部分に

【支点や軸の感覚】を持つことによって最小限の力で楽にできます。

 

楽にできると言うことは余裕が生まれ、その他の意識やパワーを

【技のコントロール】に向けることができます。

 

力んでいてはうまくいかないと言う事は

何事においても共通する原理ですね。

 

今回、たどりんのWSでは、私が治療や武道指導の中で考案した

【軸支点理論】をブレイクダンスの技に活用してくれました。

 

例を挙げますと、

 

  • 首元の4点:首の負担を楽にするヘッドスピンの一番の基本
  • コアの3点:特にエッグと呼ばれるヘッドスピンの形でお腹の姿勢の維持に役立つ
  • 内股軸:ヘッドスピンの脚の振りの遠心力に負けず、両脚を楽に引き付けられる

などです。

その実用例として

  • 壁を使った一点倒立

はお見事でした。

参加者の皆さんはある程度ヘッドスピンができる人でしたので、

皆これにチャレンジしました。

 

何人かは成功し、首や全身のパーツがいい位置にはまると、

ピタっと止まれる事を体験できたようです。

 

このようにより楽にできる方法であれば、

首や背骨全体にもダメージが少なく、怪我や痛みが起こりにくいものと考えます。

 

その他、足の形や伸ばし方、腕の固め方、

回転を続けるための脚や腕の軌道などのポイントを指導していきました。

 

4、ダンサーの好みとやりやすい方法

怪我を予防し、よりやりやすいやり方となると、

同じ人間の体ですから、

形や動き方の質感なども似たものになってきます。

ブレイクダンスは本来がダンスなので、

  • 自分が好きな形や質感
  • 自分がやりやすい形・方法

などがあって当然です。

 

しかし、個人のやりやすい方法と医学的にやりやすい方法は同じではありません。

 

身体に重い障害を起こす可能性のある動きなどは、

医学的により安全なやり方を知っておく、

と言うのは今後必要になってくるのではないでしょうか。

 

B-BOYたどりんも、

「自分のやり方が正しいと言うわけではなく、今回のWSの内容を覚えてもらい、自分にとってよりやりやすい方法を創り上げていってください」

と言うメッセージでした。

 

今後もブレイクダンス医療研究会として、

ブレイクダンスをより安全で長く踊ることを楽しめるには?

怪我の予防や有効な治療法は?

と言う問題を考えていきたいと思います。

 

ブレイクダンス医療研究会ホームページ

https://bmsg-web.jimdosite.com/

 

 

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